文部科学省で決められた学術用語の規則では、物質名の表記を音訳ではなく『言語を字訳する』という規則があります。
音訳は言語の発音を日本語で表記したもので、言語により表記が変わるという問題があります。
そこで、発音と関係なく言語をそのまま日本語に置き換えて表記した字訳を使うことになっています。
例えば、polyetthylene terephthalateは音訳でよくポリエチレンテレフタレートで表記されていますが、ポリエチレンテレフタラートが正しい表記です。
文部科学省で決められた学術用語の規則では、物質名の表記を音訳ではなく『言語を字訳する』という規則があります。
音訳は言語の発音を日本語で表記したもので、言語により表記が変わるという問題があります。
そこで、発音と関係なく言語をそのまま日本語に置き換えて表記した字訳を使うことになっています。
例えば、polyetthylene terephthalateは音訳でよくポリエチレンテレフタレートで表記されていますが、ポリエチレンテレフタラートが正しい表記です。
樹脂・プラスチックは、身近な生活のあらゆるところで使用されています。具体的には、例えば以下のような製品にも活用されています。
樹脂 | 業界 | 主な用途 |
---|---|---|
熱可塑性樹脂 | 自動車 | バンパー、スポイラー、オーバーフェンダー、ルーフレール、ホイールカバー、レンズカバー、インストルメントパネル、コンソールボックス、レーキペダル、ドアトリム、エアーダクト、ブレーキペダル、ドアトリム、エアーダクト |
食品 | 包装フィルム、トレー、ボトル、カップ、食器、容器、ナイフ、フォーク、ストロー | |
OA・家電 | テレビ・エアコン・掃除機・電話・FAX・複写機・パソコンの外装部品、電話・FAX・複写機の内部構造部品、冷蔵庫の内装部品 | |
電気・電子 | スイッチ、コネクタ、ボビン、電線被覆 | |
機械 | 摺動部品(軸受け、ギア、カム類など)、ボルト・ナット、ファン | |
繊維 | 衣類、ロープ、人工芝、カーペット、ネット(魚網) | |
土木・建築 | 防護壁・防音壁、断熱材、水槽・タンク、水道管パイプ、雨樋、屋根材、信号機レンズ | |
医療 | 人工臓器部品、目薬容器、注射器、チューブ、分岐ブロック | |
日用品 | 灯油かん、哺乳瓶、バケツ、テープ、クシ・ブラシ、シート、玩具、文具 | |
その他 | CD、照明器具、ライター、ゲーム機、パチンコ、コンテナ、パレット、メガネ、ブレーキペダル、ドアトリム、エアーダクト、農業用フィルム | |
熱硬化性樹脂 | 自動車 | エンジンカバー、バンパー、スポイラー、灰皿、ダッシュボード |
電気・電子 | IC基板、配電盤、ソケット、スイッチ、コネクタ、ボビン | |
その他 | 接着剤、塗料、鍋・釜の把手、食器、化粧版、こたつ板、浴槽 |
日本では、樹脂・プラスチックは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のことを言い、弾性材料である合成ゴムや同姓繊維、接着剤などは樹脂・プラスチックとして扱わないことになっています。けれども、欧米では、合成ゴム、合成繊維、接着剤なども広く樹脂・プラスチックの仲間として取り扱われるのが一般的です。最近では、ゴムのような弾性をもつ樹脂・プラスチックもつくられるようになってきました。ゴムのような弾性材料をエラストマーといいますが、弾性をもつ樹脂・プラスチックもエラストマーと呼ばれます。また、合成繊維や接着剤も樹脂材料として重要な役割を果たすようになっていきました。そこで、本小冊子では、合成ゴムなどのエラストマーや、合成繊維、接着剤も樹脂・プラスチックの仲間として取り上げて話を進めることにします。
加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂・プラスチックのこと。(クッキーのイメージです。)使用に際しては、流動性を有するレベルの比較的低分子の樹脂・プラスチックを所定の形状に整形し、その後加熱等により反応させて硬化させます。接着剤やパテでA液(基剤)とB液(硬化剤)を混ぜて使うタイプがありますが、これは熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂で、混合により重合反応が起こっています。熱硬化性樹脂は硬くて熱や溶剤に強いので、電気部品やテーブルといった家具の表面処理、灰皿、焼き付け塗料などに使用されます。
ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂・プラスチックのこと。(チョコレートのイメージです。)一般的に、熱可塑性樹脂は切削・研削等の機械加工がしにくい事が多く、加温し軟化したところで金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられています。熱変形温度の違いと長期使用できる特性の有無により、スーパーエンジニアリングプラスチック、エンジニアリングプラスチック、汎用プラスチックに分類されます。
2種類以上の材料を組み合わせた材料のことで、もともとの材料よりも優れた特性を持つ材料です。目的や用途によって組み合わせる材料を選ぶこともできます。(複合材料は材料の中心になっている素材によって分類され、合成樹脂が母材になっている場合の他に、金属が母材のもの、セラミックが母材のものがあります。) 合成樹脂を用いた複合材料の一種として繊維強化プラスチックがあります。繊維強化プラスチックの代表的なものにガラス繊維強化プラスチック (GFRP) と炭素繊維強化プラスチック (CFRP) があります。ガラス繊維は引っ張り強度がプラスチックよりはるかに強いので、成型部品の強度向上によく使用されます。炭素繊維の強度はガラス繊維より更に強いが高価なので、CFRPは軽くて強い(高価な)素材として航空機等に使用されています。
樹脂・プラスチックの規格について知りたい。
日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は1949年に制定された工業標準化法に基づいて工業製品に対して定められた国家規格で、各種工業製品の種類・構造・性質などの基本的な事項から、その設計・試験・品質管理の方法まで多岐にわたる規格を定めたものです。
この規格は日本工業標準調査会(JISC:Japanese Industrial Standards Committee)の審議を経て定められます。
樹脂も工業製品ですから、JISで詳細に定められています。
樹脂は化学分野のJIS Klを中心に、日曜関係のJIS S、ガラス繊維や炭素繊維に関するJIS Rに記述されています。
工業製品の規格には、国際標準化機構(ISO: International Organization for Standardization) が定めた国際規格もあります。
ISOは1947年に設立された標準化機関で、世界の多くの国が参加しています。ISOにおいても樹脂は詳細に規格が定められています。
輸出や輸入が進むにつれて、貿易上の障害を解消するため、ISOとJISの整合性が取られています。 JIS K6900(プラスチックー用語)では、『必須の構成成分として高重合体を含みかつ完成製品への加工のある段階で、流れによって形を変える材料です。
したがって流れによって形を与え得る弾性材料は、樹脂とは考えない。』とプラスチックを定義しています。
工業規格の定義では、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂はプラスチックとなりますが、ゴムなどの弾性材料はプラスチックの仲間とは考えないということになっています。
樹脂・プラスチックの加工は大きく分けて、樹脂・プラスチックを柔らかくして型にはめる、膨らませるなどして成形する方法(成型加工)と、樹脂・プラスチックの材料を工作機械を利用して削りだす方法(切削加工)に分けられます。
成形加工は柔らかくした樹脂・プラスチックを形にする方法により分類され、切削加工は動作の特性(刃物が回るかワークが回るかによって分類されます。
さらに、成型加工・切削加工の後の加工として、表面処理等の二次加工が施されることもあります。
樹脂・プラスチックの材料ごとに加工を施す上で注意するべきポイントは変化してきます。ここでは、樹脂・プラスチックとそれ以外の代表的な材料とで異なる、加工上の違い・注意点を簡単にご説明いたします。
①金属
●金属と線膨張係数が異なり熱によるサイズの変化が発生しやすい。そのため、保存時や加工時に温度管理を行う必要がある。
●樹脂は金属に比べて柔らかく、加工の際に保持方法を変える必要がある。
●樹脂と比較して金属は、加工後に面取り、鋭角部分の処理等に注意を払い怪我防止を図る必要がある。
●樹脂は金属に比べて加工の精度だしが難しく、交差は余裕を持ってとる必要がある。
●融点が金属に比べて低いため、加工に時間をかけすぎると加工熱で溶けてしまう。
●樹脂は定尺購入が基本である。そのため、加工業者の取扱量や取引している商社によっては同じ材料であってもコストに大きな差が生まれる。
●金属と異なり、放電カット、ワイヤー加工ができない。
②非金属(石英、セラミック)
●樹脂の方が他の非金属材料に比べ加工までのリードタイムが短い。(材料の調達や加工に要する時間が短いため。)
樹脂切削加工に用いられる工具について教えてください。
繊維を含まない樹脂・プラスチックは、金属などに比べて軟らかく削りやすいものの、融点が低く延性も大きいため、工具に溶着が発生しやすいという欠点があります。
また、FRPなどの複合材料は、材料内に硬質な物質を含有しており削りにくい材料です。(もちろん、強化繊維の特性、大きさ、含有量によって異なります。)
そのため、一般的に、工具切れ刃が強化繊維を切断するたびに、切れ刃が擦り減っていく現象が見られます。
すくい角はポジティブでシャープな切れ刃の工具が有効です。
ガラス繊維入り樹脂など、種類によっては切削工具の工具寿命が短く、かつバリの発生が著しい樹脂に対しては、電着ダイヤモンド砥石による研削加工が効果的です。
こうした点についても、正しい知識とこだわりをもって加工を行っている加工業者を選ぶことが重要になります。
樹脂・プラスチックの加工には、切削加工と射出成型(インジェクション)が大きく分けて存在します。この二つの加工には、長所と短所が存在します。それぞれの長所と短所を理解し、目的に応じて使い分けることが樹脂・プラスチック加工を考える際、重要になってきます。
切削加工と射出成型(インジェクション)の根本的な違い
切削加工と射出成型(インジェクション)の根本的な違いは、樹脂・プラスチック加工を行うために型が必要かどうかにあります。
ロットあたりのコスト以外にも、型の傷みや加工の自由度など、様々な側面に影響を及ぼします。
この点を理解することが樹脂の正しい樹脂・プラスチック加工方法を決めるために重要です。
もちろん、一個からでも受けつけております。
神奈川県内トップクラスの樹脂切削・プラスチック切削加工実績があるため、材料調達コストをおさえられているため、低コストでご提供しております。
特に、PEEKやPPS等のスーパーエンジニアリングプラスチックを最も得意としています。内容に関わらず、お気軽にご相談ください。
樹脂・プラスチックはどのように分類できるのですか?
現在使われている樹脂・プラスチックは、原料に熱を加えて変形させたあとに冷やして固めるタイプの樹脂・プラスチックと、原料に熱を加えて固めるタイプの樹脂・プラスチックに分類することができます。前者の樹脂・プラスチックは可塑性を利用しているので熱可塑性樹脂、後者の樹脂・プラスチックは熱で固まる性質を利用しているので熱硬化性樹脂といいます。なお、熱硬化性樹脂は可塑性で形を作るわけではないため、語源からいえば本来はプラスチックと呼ぶことは適切ではありません。しかし、熱可塑性樹脂が広く使われるようになり、プラスチックという言葉が合成樹脂を示すようになると、熱硬化性樹脂もプラスチックと呼ぶようになってきました。
1.熱可塑性樹脂
①汎用プラスチック
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル-ス チレン樹脂(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)
②エンジニアリングプラスチック
ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカルボナート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタラート(GF-PET)
③スーパーエンジニアリングプラスチック
ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリラート、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
④その他
フッ素樹脂、ポリメチルテルペン(PMP)、熱可塑性エストラマー、生分解性プラスチック、ポリアクリロニトリル、繊維素系プラスチック
2.熱硬化性樹脂
フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリウレタン(PU)、ジアリルフタラート樹脂(PDAP)、シリコーン樹脂(SI)、アルキド樹脂、エポキシ樹脂(EP)
※ ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンのことを四大汎用プラスチックと呼びます。これにABS樹脂あるいはポリエチレンテレフタラートを加えて、五大汎用プラスチックと呼ぶこともあります。
※ ポリアミド、ポリアセタール、ポリカルボナート、ポリブチレンテレフタラート、ポリフェニレンエーテルを五大汎用エンジニアリングプラスチックと呼びます。スーパーエンジニアリングプラスチックで代表的なものはポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアリラート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトンです。
樹脂・プラスチックとは何ですか?
樹脂・プラスチックの中でも、プラスチックは、人為的に製造された、高分子化合物からなる物質を指しています。合成でない天然樹脂には植物から採取したロジンや天然ゴム等があり、鉱物質ではアスファルトが代表例です。このような天然樹脂は、取れる量が少なく取り扱いも面倒という問題がありました。そこで、天然樹脂に代わる材料を手に入れることは人類の長年の夢でもあったのです。やがて、天然樹脂の特性をもつ物質が人工的に作り出されると、それらを天然樹脂に対して合成樹脂と呼ぶようになりました。今日では、合成樹脂というと原料や素材、プラスチックというと成型品を意味することが多いようですが、樹脂・プラスチックの言葉の使い分けに厳密な区別があるわけではありません。
なお、合成樹脂の糸を紡糸して作った繊維は合成繊維と呼ばれ、合成樹脂は可塑性を持つものが多いです。プラスチック (plastic) は元来「可塑性物質」という意味を持つが、日本語ではいささか曖昧で、合成樹脂と同義である場合や、合成樹脂がプラスチックとエラストマーという2つに分類される場合、また、原料である合成樹脂が成形され硬化した完成品をプラスチックと呼ぶ場合など、多様な意味に用いられています。(これ以降のページでは、合成樹脂のことを樹脂と記載していきます。)