相談内容
納品された樹脂・プラスチック製品を確認したところ、製品にそり(反り)が発生してしまっていた。
トラブルの概要・背景
樹脂・プラスチックは、時間の経過や加工方法によってそり(反り)が発生する材料である。このことを十分認識できていない樹脂・プラスチック加工業者へ発注をしてしまったために、 樹脂・プラスチック材質と表面積の大きさ、削る量、工具の選定ミスなど複合的な要因が重なり樹脂・プラスチックの完成品にそり(反り)が発生してしまった。 今回は、板厚を均一にするべく、樹脂・プラスチックの表面の片面だけを削ってしまったことが、樹脂・プラスチック製品にそり(反り)が発生してしまった一番の原因であった。
提案事例内容
樹脂・プラスチックの片面だけを削ってしまうとそり(反り)が発生してしまうため、多少のコストアップになっても樹脂・プラスチックの両面を削るべきであることをご提案させていただいた。 また、既存の樹脂・プラスチック加工業者は切削加工後に十分な後処理を行っていなかったが、こちらではそのひと手間を惜しむために後々トラブルが発生することを知っているため、樹脂・プラスチック完成品にアニール処理を施すことを徹底している。 (樹脂・プラスチック製品はアニール処理により応力を逃がすことができる。この処理により樹脂・プラスチック製品のそりを軽減させることが可能となる。)
結果・補足情報
樹脂・プラスチック製品のそり(反り)に関する問題を解決できたことに加え、他の樹脂・プラスチック加工業者では行わない細やかな後処理も軽んじることなく徹底している姿勢に高い評価をいただけた。
樹脂・プラスチックは金属以上にそり(反り)が発生しやすい材料です。 設計者側もこの特性を把握しておくことで、樹脂・プラスチックの加工段階で余計なコストを発生させるリスクを回避することができます。